【しなやか女子の心得】第32回 お悔やみの言葉

桜庭先生
桜庭先生
皆様、ご機嫌よろしゅうございます。しなやか女子の心得第31回を始めさせていただきます。

しなやか女子の心得とは…

ビジネスでもプライベートでも使える!知っておきたいマナーや常識を、心磨きの達人が伝授する、大人女子のためのお悩み相談所。テンプレート通りの立ち居振る舞いでは、ちょっぴりお堅い女子に見えてしまいがち…。ここでは、周囲だけでなく自分の心をも解きほぐす、桜庭流の美しい所作や心の在り方をお教えします。

お悔やみの言葉

皆様、ご機嫌よろしゅうございます。
ちょうどお盆の真っ最中の頃でしょうか?
皆様も長めの休暇を取ったり、お墓参りに行ったりとそれぞれにお過ごしのことと思います。この時期は、あの世とこの世が何だか少し身近に感じられ、ご先祖様ともつながっているような感覚を覚えるのではないでしょうか。


相談者:
A子さん
上司の身内に不幸があり、シフトを代わってほしいと上司本人から連絡がありました。電話口で初めて不幸があった事を聞く為、うまく言葉がかえせず「わかりました」や「寂しいですね」くらいの言葉しか返せませんでした。もう一言二言、言葉をかけられると良いと思うのですが、どのような言葉がけが適正ですか?

さて、今回はお悔やみの言葉について考えてまいりましょう。

A子さん、とてもよく対応されたと思いますよ。一言だけでも、咄嗟に相手を思いやる言葉を伝えることができたのは本当に素晴らしいことです。ご質問の中ではもう一言二言付け加えたいとのことでしたね。今回、A子さんがお使いになった“寂しいですね”という残された遺族の気持ちに寄り添い、残念な気持ちを伝える言葉は、正式な文例ですと「お悔やみ申し上げます」にあたります。そして、家族が亡くなったつらさや悲しみを哀悼する意味で「ご愁傷様(ごしゅうしょうさま)です」という言葉がございます。また、魂の世界に帰ってからも幸福でありますように、という願いを込めて「ご冥福(ごめいふく)をお祈りいたします」という表現もいたします。一部、例えばキリスト教では神の元に召されることは祝福されるべきことゆえ、冥福という言葉は適切ではないという意見もあるようですが、断定してしまうにはあまりに短絡的な考えといえるでしょう。“May his(her)soul rest in peace”の日本語訳は「安らかな眠りにつつまれますように」ですが、わたくしは冥福を祈るという意味の込められた美しい響きと考えます。国や宗教は違えども、喜びや悲しみの感情は世界共通なのですから、心からの哀悼の意を込めることが何よりも大切なのではないでしょうか。

よって、これらの言葉を一連にすると一般的によく使われる文例となるわけです。

「この度はご愁傷様でした。心からお悔やみ申し上げます。」
「急なお知らせで本当に驚きました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。」

私事ですが、先日、前職で大変お世話になった先輩が亡くなりました。実はこちらで連載中のコラム第13回「お局化したくない…後輩への上手な注意の仕方ってあるの?」にも登場した方です。たくさん怒られ可愛がってくださったお局さんです。闘病中にそのことをメールで伝えると大変喜んでくださり、「転院調整中なので落ち着いたら是非来てね!ありがとう!」の言葉を最後に天国へと旅立ちました。

社会人として、今の私が在るのは彼女のお陰です。これからまだまだ人生の先輩として、また、同じ女性として話したいこと聞きたいことはいっぱいありました。

葬儀では、同僚たちと泣かないようにしようと決めていました。笑いの絶えない本当に明るいユニットでしたので、「悲しい顔をしたら彼女に怒られちゃうね」「心配をかけてしまうね」と、互いを励まし合いました。それぞれに人生のキャリアも積み、お悔やみの言葉もわかっていたはずなのですが…。

やはり、いざ悲しみに暮れるご遺族を前にすると胸がいっぱいになり、また、故人との思い出が鮮明によみがえり、「この度はご愁傷様でした。思いがけないことで…」だけで、あとは言葉になりませんでした。

でも、それで良いのです。昔から、お悔やみの言葉は月並みほどよい、といわれているそうですが、少しずつこの意味が理解できるようになってきました。短く簡潔な言葉にすべての哀悼の意が込められているのですね。

くれぐれも、うっかり軽率に自己中心的な判断をしないように気をつけましょう。死因や闘病生活について根掘り葉掘り聞くことを避けるのはもちろんですが、例え、故人が高齢でお亡くなりになり、世間一般では「大往生!」だった場合だとしても、それはあくまで遺族が判断するもので、弔問側が口にするものではありません。特に、葬儀の段階では心の整理がまだ追いついてないケースがほとんどですから、個人的には「空の上から見守ってくれているはずですよ」とか「肉体がなくなっただけで魂は生きていますよ」などといった精神性の高い言葉がけも、慎んだ方が良い場合があることを頭の片隅に留めておきましょう。

わたくしは見えない魂の世界を信じておりますし、茶の湯の世界にいる以上、先祖・先人の教えを当たり前のように頂戴しております。スピリチュアルの世界が大好きです。だからこそ、今生の世界のお別れの場では、まずは肉体との別れを惜しみながら、魂の世界を感じてほしいと願っているのです。もちろん、生前から故人やそのご家族と、ヒーラーやカウンセラーとしての親交があった方は、ぜひ、サポートして差し上げるといいでしょう。

お盆の時期に“死”について考えてみる。ひとつ良いタイミングだったかもしれませんね。まだまだ暑さが続くようです。どうぞお身体ご自愛くださいね。

悩みの雲は晴れましたか?

お仕事だけでなく、冠婚葬祭やフォーマルなお食事会、彼ママ訪問など、大人女子がマナーや振る舞いに不安を感じてしまうシーンはまだまだ沢山あるはず。アナタが普段抱いている疑問を、桜庭先生に相談してみましょう。

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桜庭先生
『MotecoBeauty』では、自分磨きに励む皆さまのお悩みを、茶道の精神“和敬静寂(わけいせいじゃく)”の心と、わたくし自身の経験をもとに解決していきたく思っております。今よりずっと豊かで美しくなれる心の在り方を、一緒に勉強してまいりましょう。

Author

桜庭佳織里先生
桜庭佳織里先生茶道家
幼少より、茶人の父のもと茶道の手ほどきを受け、研鑽を積む。
大手企業の第一線で活躍したのち、茶道の“心・心得”を通し、より豊かで幸せに生きるための茶ごころマナー、ライフワークを、各種団体・個人に向けて幅広く発信している。

※検証レポートは編集部で試した感想をもとに作成しております。効果を保証するものではございません。

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